Title : |
急性大動脈解離(DeBakey I型)術後にcompartment症候群を来した1例 |
Subtitle : |
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Authors : |
山本平*, 幕内晴朗, 成瀬好洋, 小林俊也, 後藤昌弘*, 野中健史** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
虎の門病院循環器センター外科, *順天堂大学医学部胸部外科, **現 杏林大学医学部胸部外科 |
Journal : |
The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY |
Volume : |
46 |
Number : |
11 |
Page : |
1162-1167 |
Year/Month : |
1998 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
症例は急性大動脈解離(DeBakey I型)の診断にて緊急入院した62歳, 男性.入院後, 右下肢痛を訴え, 右下肢の血圧低下を認めた. 左大腿動脈送血により体外循環を行い, 選択的脳灌流下に上行弓部置換術を施行した. 術直後左下腿のcompartment症候群の併発に気づき, 筋膜減張切開を施行した. 術後大量輸液, 利尿剤投与にて腎不全の合併は免れ, 患肢の機能にも障害は残らなかった. 急性大動脈解離で, 総腸骨動脈以下に解離が及んでいる場合には, 側副血行路が遮断されている恐れがあり, 大腿動脈送血により高度の下肢虚血が起きる可能性あるので, 注意を要する. 急性解離性大動脈瘤に対する外科治療の成績は, 手術手技, 補助手段の改善により近年成績は向上してきた. しかし臓器虚血を合併した急性大動脈解離の場合にはいまだ問題点は多い. 今回われわれは右外腸骨動脈の血流障害を合併した急性I型大動脈解離に対し上行弓部置換術を施行し, 術後大腿動脈送血による阻血が原因と思われるcompartment症候群の1例を経験したので報告する. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
急性大動脈解離, 大腿動脈送血, compartment症候群, 筋膜減張切開 |