アブストラクト(5巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工心臓の研究 大動脈瓣狹窄症に對する直視下手術への臨床的應用
Subtitle :
Authors : 長谷健一, 榊原仟
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学外科
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 5
Number : 12
Page : 1068-1089
Year/Month : 1957 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : [第1章 序文] 心臓外科の理想とする心臓内直視下手術は低体温法により初めて臨床に成功した7). 以来多數の報告を見て居るが, 本邦にても昭和29年10月榊原教授によりその第1例が報告されて居る8). 以来教室では多くの臨床に好成績を收めて居るが, 此等の症例を檢討するに年令の多い, 又心筋障害, チアノーゼ等を有する症例に對しては余り期待出来ない方法と考えるに到って居る9)10)11)12)13). その爲此等の症例に對しては低体温法のみでは相當の危險が豫想されるので, 冠灌流法14), 更には人工心臓12)16), 又は人工心肺12)15)を用い一層の安全性を獲得すべく努力して居る. 我々が人工心臓の研究に着手したのは1952年以来であり, その1部は既に1954年東京女子醫學會雜誌16)及び外科學會に發表して来た. 當時の實驗結果は23例の犬に行つて全例が操作中に死亡すると云う悲慘な状況であつた. 併し此の實驗に基ずき實驗の方法, 裝置に種々なる工夫. 改良を加え昭和30年再び實驗を始め, 右心實驗, 左心實驗, 及び自家肺利用による兩側人工心實驗に夫々長期生存例を得る事に成功した. 此の結果人工心臓による血流遮斷時間の延長が安全に可能なる事を確認したので臨床應用を決心し, 大動脈瓣狹窄症の患者に用いその直視下手術に成功した. 此の事は未だ寡聞にしてその報告を見聞せず, 本邦に於ける第1例と考えて居る.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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