Title : |
心筋梗塞による心室中隔穿孔例の血行動態, 心電図の特徴と外科治療上の意義 |
Subtitle : |
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Authors : |
北村惣一郎, 川島康生, 森透, 中埜粛, 横田博雅, 井原勝彦*, 河内寛治, 榊原哲夫 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
大阪大学第1外科, *桜橋渡辺病院 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
27 |
Number : |
2 |
Page : |
203-210 |
Year/Month : |
1979 / 2 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
心筋梗塞後の中隔穿孔例の血行動態を著者らの経験した5例について報告し, 急性期症例での手術成績が極端に不良なる原因は単に梗塞部の縫合閉鎖が困難であると云う技術的な面のみではないように考えられるので, それを血行動態の面から考案し, 次のような結果を得た. (1)急性期に重篤な状態に陥り手術を余儀なくされる例は梗塞そのものが広範囲である. これは2枝ブロックが高頻度に合併することからも裏付けられている. 2枝ブロック合併は予後不良のサインである. (2)さらにこれらの症例では多枝冠動脈疾患が多く, 一旦血圧低下が生じれば梗塞の進展が起りやすく救命困難となり易い. (3)急性期例では広範な梗塞, シャントの発生に対する代償機転としての左室拡大が完成しておらず, したがって梗塞部切開, 切除後には極端な左室容積の狭小化が起りうる. したがって急性期例では左室容積を狭小化せず, また梗塞病変が軽く低圧系であるために縫合が容易な右室からのアプローチも再考慮する必要があると考えられた. 急性期例における冠状動脈造影は望ましいが中隔穿孔が発生する時期は既に心筋壊死から自己融解の時期にあり, 心筋のsalvageの効果は乏しい. したがってこの重篤な時期での左室造影, 冠状動脈造影の効用は限られていると考えている. 2枝ブロックを併発した中隔穿孔例ではIABP挿入後ただちに手術を行うべきである. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
心筋梗塞, 心室中隔穿孔, 二枝ブロック, 心原性ショック, 右室切開法 |