アブストラクト(27巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環におけるハプトグロビン投与-ヘモグロビン尿の防止効果について-
Subtitle :
Authors : 長柄英男, 和田寿郎, 跡部正明, 平塚博男
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科, *国立大阪病院循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 3
Page : 257-262
Year/Month : 1979 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 体外循環における溶血は術後腎不全, 肺合併症, DICなどの原因となると考えられている. このため溶血に対していろいろの対策が試られている. われわれは溶血によって生じた遊離ヘモグロビンが, 生理的な過程として血漿中に含まれるハプトグロビンを結合することに注目し, ヒト精製ハプトグロビンを投与することにより合併症の予防を計った. 成人開心術症例24例に体外循環開始後30分精々ハプトグロビン200~300mlの投与を行った. 対照としては1976年7月より12月までに開心術を行った39例を用いた. 対照群39例では体外循環時間50分未満では15例中3例で20%, 50分より100分では13例中8例で62%, 100分以上では11例全例でヘモグロビン尿を認めた. ヘモグロビン尿陽性の22例の体外循環時間は102±55(平均±標準偏差)分であり, ヘモグロビン尿陰性の17では43±18分であった. 一方投与群24例では全例ヘモグロビン尿陰性で投与によるヘモグロビン尿防止効果は明かであった. なお投与群の体外循環時間は99±44分であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ハプトグロビン, 体外循環, 開心術, 腎不全, ヘモグロビン尿
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