アブストラクト(27巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児期におけ先天性大動脈弁性狭窄症の外科治療-手術適応と弁切開の評価-
Subtitle : 症例
Authors : 和田行雄, 中路進, 大賀興一, 中村昭光, 玉利公正, 嶋田秀逸, 渡部高久, 橋本勇
Authors(kana) :
Organization : 京都府立医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 12
Page : 1777-1785
Year/Month : 1979 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 近年, 先天性大動脈狭窄症の手術報告例は増加しているが, 未だ幾多の問題がある. 教室において経験した症例を中心に, 小児期における弁性大動脈狭窄症について検討した. 1)小児期における弁性大動脈狭窄症の手術適応に関して, 左室大動脈収縮期圧較差のみでは決定し難く, 症状の有無, 既往歴および他の検査データより多角的に判定する必要がある. 2)本疾患の手術術式は, 原則として大動脈弁切開が施行され, 弁切開による術後左室大動脈圧較差の軽快の程度は満足すべきである. しかし術後大動脈弁逆流の発生が, 長期予後を大きく左右する因子となる. 弁切開術に関して, 弁論部まで切り込まず, ひかえめな切開にとどめ, 術後新たな大動脈弁逆流を残すより, むしろ若干の狭窄を残すことに妥協すべきである. 3)本症患の大動脈弁の性状に関して, 硬化, 肥厚, raphe形成など弁自体の器質的異常をきたすものが多く, 症例によっては, 弁切開のみで, 大動脈弁を機能的に正常化することに限界があり, 弁切開は姑息的なものとなり将来の弁置換を考慮せねばならない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性大動脈弁性狭窄症, 大動脈弁切開術
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