Authors : |
山崎芳彦, 橋本良一, 汐崎公太, 栗田雄三*, 木滑孝一*, 横山晶*, 江口昭治**, 広野達彦**, 安藤武士**, 飯塚亮**, 小池輝明** |
Abstract : |
肺癌根治のためには早期発見, 早期治療が重要である. 著者らは, 池田らの定義2)による早期肺癌17例(肺門型9例, 末梢型8例), 準早期肺癌21例(いずれも末梢型)に対して手術を施行し, これらに対する問題点, 遠隔成績などについて検討した. 肺門型は, 咳嗽, 喀痰排出, 血痰などの症状を呈すものが多く, 喫煙との密接な関係がみられ, すべて扁平上皮癌であった. これに対し末梢型は, 無症状で検診による発見が多く, 喫煙との関係は少なく, 多くが腺癌であった. 手術々式は, 早期肺癌の肺門型で, 肺葉切除8例, 上葉+気管支管状切除2例であった. 末梢型は肺葉切除8例, 部分切除1例であった. 準早期肺癌は肺葉切除20例, 区域切除1例であった. 早期および準早期肺癌の手術予後は良好であることが判明した. 肺末梢部早期肺癌発見のためには年2回の検診が必要であり, 肺門部早期肺癌発見のためには, 気管支刺激症状があり, 40歳以上, heavy smokerなどのhigh risk groupに対する, 喀痰細胞診, 気管支鏡検査などの積極的な検索を行い, かつ, 胸部X線の注意深い読影が必要と思われた. |