アブストラクト(28巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺高血圧を伴った動脈管開存, 心室中隔欠損の手術適応ならびに手術成績
Subtitle : 原著
Authors : 坂内五郎, 安斉徹男, 川辺昌道, 小林剛一, 飯島哲夫, 桜井達夫, 家里裕, 大木俊英*, 飯野昭夫*, 井田仁一*
Authors(kana) :
Organization : 群馬大学医学部第2外科, *県立前橋病院心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 7
Page : 1078-1084
Year/Month : 1980 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺高血圧を伴う先天性心疾患の手術適応決定にあたっては, 右心カテーテル所見, 100%O2吸入試験, 肺生検所見などを参考にして行われているが, 著者らは根治手術が行われたPDA138例, VSD176例のうち肺・体収縮期圧比が0.7以上を肺高血圧症とし, これらについて手術適応, 手術成績について検討を加えた. 1. Pp/Ps0.7以上のPDA+PH7例中2例死亡し, 死亡たし2例はいずれもRp/Rsが0.7以上で高肺血管抵抗例であった. 2. 100%O2吸入試験はVSD+PHの適応決定に有用で, 100%O2吸入によりPp/Psが不変か, 変化が僅かな場合死亡しており, 手術適応より除外すべきであると思われる. 3. 右心カテーテル検査を同一症例について反復して行った所, 初回はHigh Flow PH次回はHigh Resistance PHと全く相反する成績を2例で経験した. 4. 剖検例について左右両肺の血管病変を検討したところ, いずれの肺葉でもほぼ同一の結果が得られ, 術前肺生検は肺高血圧を伴う心室中隔欠損症の適応決定に有力であると思われた. 5. 肺高血圧を伴った心室中隔欠損症の根治手術成績はRp/Rsが0.69以下では24例中死亡3例, 死亡率12.5%であるが, Rp/Rsが0.70以上では12例中4例死亡, 死亡率33.3%と不良であった. 死亡例は高年齢層が多く, 肺血管病変の進行しない乳児期(2歳以下)に根治手術をすべきであると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺高血圧, 術前肺生検, 右心カテーテル検査表面冷却, 体外循環併用超低体温法
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