アブストラクト(29巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工弁置換術後心内膜炎症例の検討
Subtitle :
Authors : 後藤武, 太田稔明, 細川裕平, 山本信一郎, 久野克也, 小沢修一, 松田昌三, 松森正之, 志田力, 小川恭一, 中村和夫, 津嶋昭平*, 小竹利一**, 麻田栄**
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科, *国立加古川病院, **高砂市民病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 3
Page : 360-366
Year/Month : 1981 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 教室において人工弁置換術後に心内膜炎を併発した12症例について検討を加えた結果, 以下のごとき結論がえられた. 1)人工弁置換術後心内膜炎 Prosthetic valve endocarditis(PVE)の発生頻度は5.8%であった. この発生頻度は術前の感染巣の有無, 外科医の熟練度, 手術室の清潔度, 術後管理の巧拙などにより左右されるものと思われる. 2)人工弁置換術後2ヵ月以内に発症した早期PVE6例中2例が術後の血液透析中の感染であり, うち1例をDICで失った. 血液透析中のPVE発生頻度は高く, その治療は困難で予後不良であるので, 外シャントの取扱いなどには細心の注意が必要である. 3)晩期PVE6例中1例は心カテーテル検査後に発症しており, 他の1例では齲歯からの感染が疑われた. 人工弁機能障害に関する検査はできる限りnon invasiveに行うべきであり, 齲歯はこれを弁置換術施行前に徹底的に治療しておく必要がある. 4)内科療法のみを行った9例中6例と再弁置換を実施した3例中2例を救命することができた. 5)PVEの起炎菌としてはグラム陰性桿菌が最も多く, 12例中5例で認められた. このうち晩期感染の2例中1例を内科療法で, 他の1例を再弁置換により救命しえたが, 早期感染の3例では内科療法が無効で, いずれも救命することができなかった. 6)人工弁機能障害を合併し心不全が進行したために再弁置換を行い救命しえた2例はいずれも晩期感染例であった. しかし, たとえ早期感染例であっても, 内科療法が奏効せず, 弁機能不全に陥った場合には積極的に再弁置換を行うべきであると考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 人工弁置換術後心内膜炎(PVE), 血液透析, グラム陰性桿菌, 人工弁機能障害, 再弁置換術
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