アブストラクト(33巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 容量負荷犬の心機能に及ぼす栄養障害の実験的研究
Subtitle : 原著
Authors : 田林晄一, 井口篤志, 新井悟, 関野美仁, 近内利明, 茂泉善政, 東郷孝男, 堀内藤吾
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 1
Page : 7-13
Year/Month : 1985 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 栄養障害により心機能がどのような影響を受けるかを容量負荷犬を作成し, 作成後低栄養状態で飼育し, 心ポンプ, 心収縮能の面より評価し若干の知見を得たので報告する. 平均体重12kgの雑種成犬に対し大腿動・静脈短絡を作成し2ヵ月以上の長期生存犬10頭を対象とした. 栄養障害はI度, II度の2段階に分けて行い, それぞれの時点で血液生化学検索, 心機能検査を施行した. 血液学的検査として赤血球数, ヘモグロビン, 血清アルブミン, 遊離脂肪酸, 血糖, コリンエステラーゼ, アミノ酸分析を行った. 心機能は超音波振動子, 超音波変位用増幅システムを用いて左室の前・後径, 壁厚を測定し, 左室収縮終期圧(壁応力)一左室収縮終期径(LVESP(LVWst)-LVESD)関係をもとめ評価した. 結果:1)容量負荷により左室重量/体重比と左室壁厚とに有意な増加がみられた. 2)栄養障害により体重, 赤血球数, ヘモグロビン値, 血清アルブミン値の低下, 遊離脂肪酸値の増加, アミノ酸分析で血中1及び3-methylhistidine, valineの増加がみられた. 3)Mean-VCFは栄養障害前群と栄養障害群の間で有意差はみられなかった. 4)LVESP(LVWst)-LVESD関係は栄養障害群でLVESP, LVWstに対するLVESDが大きく, 左心収縮性の低下が示唆された. 5)組織学的所見では栄養障害群の左室心筋に細胞間の線維化, 脂肪浸潤の増大像が認められた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 栄養障害犬, 3-methylhistidine, 心ポンプ能, 心収縮能, 超音波振動子
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