Abstract : |
筋性部心室中隔欠損muscular ventricular septal defect(m-VSD)6例について, 術前のアンギオ所見, 術中の診断及び筋性部心室中隔欠損への到達経路について検討した. 症例は, m-VSD+PH2例, m-VSD+ASD+PH, m-VSD+PDA+Coac. +PH, m-VSD+ECD+PH, m-VSDの各々1例であった. このうち術前に筋性部欠損と診断されたものは3例, 膜性部欠損と診断されたものは3例であった. 膜性部欠損と診断された3例全例が術中に筋性部欠損と診断された. 術前診断には, アンギオ所見, 特に心室中隔の接線方向での所見で逆流の位置が重要と判断された. また, 術中の診断では左心室からの逆流血液の位置で十分満足するものであった. 筋性部心室中隔欠損に対する到達経路は, 1例を除く5例が右心房切開で十分行い得た. はじめに, 筋性部心室中隔欠損(muscular ventricular septal defect)は全心室中隔欠損の2~18%1)の発生とされ比較的まれな疾患であるため種々の検討がなされていなかった. |