Authors : |
竹田治土, 山崎亮, 高平真, 石橋義光, 松居喜郎, 郷一知, 川崎浩一, 立木利一, 酒井圭輔, 田辺達三 |
Abstract : |
ファロー四微症(TOF)19例に対するBlalock-Taussig術(BT術)前後で6keto Prostaglandin F1(6keto PG), Thromboxane B2(TXB2)を測定してその変動を検索し, またoriginal BT術(O群)とEPTFEを用いたmodified BT術(M群)でのプロスタノイド変化の差異についても比較検討した. 19例中術後PaO2が30%以上増加した群では6keto PG値(前177.2±24.9, 後250.0±37.4pg/ml, p<0.025), 6keto PG/TXB2比(前0.67±0.07, 後1.38±0.16, p<0.001)ともに有意の増加を示した. O群, M群の術前後で6keto PG値, TXB2値, 6keto PG/TXB2比で差はなかったが, 両群とも術後PaO2が30%以上増加したものについては, 30%以下にとどまったものと比較すると6keto PG値の増加, 6keto PG/TXB2比の上昇が認められた. 肺血流増加によるprostacyclin(PGI2)産生増加, PGI2による肺細小動脈内血栓の融解, 血小板活性の抑制に起因するThromboxane A2(TXA2)産生低下が原因と考えられた. これら血管作動性プロスタノイドがTOFに対するBT術後の臨床症状の改善及びBT shuntの開存在にとり重要な役割を果たしている可能性が示唆された. |