アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 内胸動脈を用いた3枝A-C bypassによる川崎病の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 林辺義人, 弓削一郎, 宇津見和郎, 渡辺寛, 香西襄
Authors(kana) :
Organization : 松戸市立病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 218-222
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 川崎病により冠動脈瘤及び冠動脈の拡張・狭窄を来し, 労作時狭心痛を主訴とした川崎病女児に内胸動脈を含む3枝A-C bypassを施行し, 良好な結果を得たので報告した. 症例は10歳の女児で, 昭和57年4月, 川崎病に罹患し, 昭和59年6月より, 労作時狭心痛がたびたび出現し, 冠動脈造影で前下行枝の完全閉塞, 回旋枝・右冠動脈の有意な狭窄を認めた. 完全体外循環下に左内胸動脈を前下行枝にバイパスし, 回旋枝・右冠動脈に対しては自己大伏在静脈を用いて通常のA-C bypassを施行した. 術後, 自覚症状は改善し, 約1ヵ月後のグラフト造影でもグラフトの開存が確認された. 川崎病はその原因・治療・予後に関してまだ不明の点が多く, 心病変に対する外科的治療も1974年の浅井・草川らのVineberg変法1)以来数十例にすぎない. 今回われわれは10歳の川崎病女児に内胸動脈を用いた3枝A-C bypassを行い良好な結果を得たので, 川崎病の心病変に対する外科的治療につき, 若干の文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 川崎病, 3枝A-C bypass, 手術適応, 内胸動脈, グラフトの開存性
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