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Blood Potassium Cardioplegia（BPC）は, 広く臨床使用されているがアルカリのBPCに対する報告はない. 今回, その影響を心機能, 冠血管抵抗, カリウム摂取量, 心筋酸素消費量の面から検討した. 雑種成犬12頭を使用し完全体外循環下, 心拍数120/分, 平均大動脈圧75mmHgの条件で右心バイパス法により左心へ500mlずつ増加の負荷をかけ, 左室圧, 心仕事量, Max dp/dtを計測し, 大動脈遮断解除30分後に同様の計算をして回復率を求めた. 2時間の大動脈遮断中16℃にした500mlBPC液を30分ごとに大動脈根部に落差1mで注入し注入時の冠血管抵抗, 心筋酸素消費量, カリウム摂取量を毎回測定した. コントロール群はBPCのpHを7.4（37℃）（n＝6）とし, アルカリ群はTHAMを加えpH 7.2（37℃）（n＝6）とし, 以下の結果を得ることができた. （1）アルカリ群は, コントロール群に比べ冠血管抵抗を高め心筋酸素消費量を低下させ, カリウム摂取量を減少させる傾向がある. （2）アルカリ群は, 左心機能回復, Max dp/dt回復が有意に悪い（p<0.05）. （3）アルカリ群は, コントロール群よりも2時間の大動脈遮断において心筋保護効果が劣ることが示唆された. |
