アブストラクト(36巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 家族内に発生した急性解離性大動脈瘤の2治験例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木隆三*, 外山雅章, 亀田隆明, 天野篤
Authors(kana) :
Organization : 亀田総合病院心臓外科, *帝京大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 2
Page : 226-230
Year/Month : 1988 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急性解離性大動脈瘤は, 早期に致命的な状態に陥りやすい. 今回, われわれは, 兄弟に急性解離性大動脈瘤が発生し2症例ともに手術で救命し得た. 症例1は, 30歳男性でDeBakey I型, 大動脈弁閉鎖不全症(AR)III°で手術は, 為腔閉鎖のみでARの改善が得られた. また, 長期間の右下肢動脈閉塞のためにRevascularization Syndromeを併発し, これは人工透析を行い改善した. 症例2は, 34歳男性で症例1の兄であり, DeBakey I型AR II°の症例で, 手術は, 上行大動脈人工血管置換術を行いARの改善が得られた. しかし, 術後3週目にARが再び出現したが心胸郭比の改善が得られたため経過観察中である. この2症例は, マルファン症候群の病状は全く認められず, 大動脈壁の病理所見では, 中膜壊死によるものであった. 家系的には, 母親が動脈瘤破裂で死亡, 伯父, 伯母が心臓病で死亡しており家族性に発生した解離性大動脈瘤と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 家族性解離性大動脈瘤, 中膜壊死, Revascularization Syndrome, 大動脈弁閉鎖不全症, 非マルファン症候群
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