アブストラクト(36巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓外科手術後患者のquality of life-心機能, 運動耐容能の影響-
Subtitle : 原著
Authors : 田中弘之, 舟波誠, 高場利博
Authors(kana) :
Organization : 昭和大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 10
Page : 2267-2275
Year/Month : 1988 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心臓外科手術後患者のquality of life向上のための指針を得る目的で, 面接調査, 心臓カテーテル検査, 運動負荷試験を行い, 生活全般を心機能, 運動耐容能の面から検討した. 対象は後天性心疾患で開心術を受けた25~68歳(平均47.8歳)の45名(男性22名, 女性23名)で術式別ではOMC 11例, MVR 15例, AVR 7例, DVR 5例, CABG 7例であった. 検査は術後11カ月~61カ月(平均31カ月)に施行した. 面接調査では手術前後での日常生活, 性生活, 社会生活状況を, 心臓カテーテル検査では各種血行動態の指標を得た. 運動負荷試験はTreadmillを用い, 修正Bruce法による多段階漸増法により行い, 呼気ガス分析より直接最大酸素摂取量を求め, これを運動耐容能の指標とした. 術後の心係数は不整脈がなければ運動耐容能と正相関を認めたが, 患者のquality of lifeの構成因子の大部分で運動耐容能が心係数より密接に関与していた. そのため術後全身的リハビリの導入による運動耐容能の向上が重要と考えられた. また性生活は疾患に対する不安などの精神的影響が大きかった. 復職は年齢, 心機能の影響は少なく, 運動耐容能の若干の影響を認め, 復職群の特徴として, 高学歴, 専門職, 術直後までの就労, 術直後の復職が認められた. 術後の就労率向上のため, 休職早期の手術至適時期の決定, 社会復帰へのリハビリにおける有効グループの設定と実施の必要性が示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : quality of life, 運動耐容能, 心機能, 心臓外科手術後患者, Treadmill
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