アブストラクト(36巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工気胸後の膿胸に発症した悪性リンパ腫の1例と文献的考察
Subtitle : 症例
Authors : 山崎史朗, 長谷川洋一, 千保純一郎, 小松寿, 加瀬肇*, 野中博子**
Authors(kana) :
Organization : 東邦大学医学部胸部心臓血管外科, *東邦大学医学部第1外科, **東邦大学医学部病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 12
Page : 2662-2666
Year/Month : 1988 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 52歳の男性で, 約40年前に肺結核のため人工気胸術を受けたがその後患側の膿胸併発のため胸膜全肺切除を施行した. 組織学的検索にて, 右肺上葉内とそれに連続した膿胸壁内にlarge cell typeのB cell lymphomaが発見された. 術後はCHOP療法を行い, 1年2カ月の現在再発の徴候はない. 本邦における膿胸と悪性リンパ腫との合併例は自験例を入れて全部で8例報告されており, それらに多くの共通点が見いだされ, 悪性リンパ腫の発生とも関連して興味ある症例と思われたので報告した. 肺結核に対する人工気胸療法は化学療法, 外科療法の発達以前に多くの人命を助け, 30~40年後の今日でも肺結核の再発もなく日常生活を営んでいる人が多いが, 中には後になってその肥厚し胼胝化した胸膜の中に何らかの原因で感染が起こり, 慢性膿胸として治療を必要とする患者が出ている. その多くは患側肺の膨張不全のためにchest tube drainageのみでは治癒せず種々の外科的療法を余儀なく施行されることが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 膿胸, 悪性リンパ腫, 人工気胸, CHOP療法, 肺結核
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