Authors : |
渡邊剛, 川筋道雄, 三崎拓郎, 向井恵一, 向歩, 田中信行*, 大平政人*, 竹村博文*, 岩喬 |
Abstract : |
正常左心室に対する直達手術の心機能に与える影響及び安全性を, その血行動態並びに左室造影より得られた左室容量解析から確認した. 対象は左室切開冷凍凝固を行った左心型非虚血性心室性頻拍症根治術症例(以下VT群)7例, 及び左心室瘤切断術(以下LVA群)症例9例計16例である. VT群では, 術後平均10.8%の左室非収縮部占有率(NCA%)を認めたが, 術前後で左室駆出率(EF), 心拍出量係数(CI), 左室拡張末期容量係数(LVEDVI)ともに変化を認めず, 左心機能は良好に保たれた. 一方LVA群では術前平均31.0%のNCA%を認め, LVEDVIの増加, EF, CIの低下を示した. 術後はEF, LVEDVIの改善を認めたがCIの改善は認めなかった. 正常左心室切開により術後に形成されるNCA%は小範囲であり, 左心機能に与える影響はほとんどなく, 左室アプローチとしての左室切開は安全であり, VTのみでなく他の心疾患にも応用し得る術式と思われた. |