| Title ： |
新生児・乳児Jatene手術における逆行性心筋保護液灌流法 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
米永國宏, 安井久喬, 角秀秋, 安藤廣美, 中野英一, 福村文雄, 西村陽介, 財津正博*, 秦恒彦*, 森本文子* |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
福岡市立こども病院心臓血管外科, *福岡市立こども病院麻酔科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
37 |
| Number ： |
2 |
| Page ： |
274-280 |
| Year/Month ： |
1989 / 2 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
新生児・乳児Jatene手術30例において, 逆行性心筋保護液灌流法（Retrograde群：21例）の心筋保護効果を順行性灌流法（Antegrade群：9例）と比較し, その有用性を検討した. 心筋保護液としてalbumin加crystalloid cardioplegia液を用いた. 初回投与は両群とも大動脈基部より行い, 追加投与はRetrograde群では冠静脈洞より逆行性に, Antegrade群では選択的冠灌流にて行った. 大動脈遮断時間はRetrograde群で130±18分（mean±SD）, Antegrade群で147±20分であった（p＜0.05）. 手術成績は, 移植冠動脈の屈曲で1例を失った以外は全例順調に経過した. 術後のCPK-MBの検討でmax CPK-MB及びCPK-MB総遊出量に有意の差はなかったが, Retrograde群で総遊出量における固体差が大きい傾向を認めた. しかし, 体外循環離脱直後のCVP圧, 左房圧及び, rate-pressure productよりみた血行動態は両群とも良好であり差は認めず, その後のdopamin使用量, 挿管日数における術後経過にも有意の差はなかった. また, 術後18時間後のGOT, LDHも両群間に差はなかった. Retrograde群中の6例の新生児例について検討したが, 体外循環離脱直後の血行動態及び術後CPK-MB値は他の乳児例と差がなく心筋保護上の問題は認めなかった. 以上より, 新生児・乳児例における選択的冠灌流の手術上の煩雑性を考慮すると, 逆行性灌流法の併用は同時期Jatene手術にとって有用と考えられた. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
心筋保護, 逆行性冠灌流法, Jatene手術, 乳児, 新生児 |
