アブストラクト(37巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ペースメーカー植え込み術を行ったFabry病の3例
Subtitle : 症例
Authors : 吉田勝彦, 村瀬允也*, 棚木隆志, 碓氷章彦, 伊奈博, 阿部稔雄
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部胸部外科, *大垣市民病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 2
Page : 386-390
Year/Month : 1989 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 徐脈を来したFabry病に対して経静脈ペースメーカー植え込み術を施行し, 良好な経過を得ている. 症例1は62歳の男性で心房細動を呈しており, VVIペーシングを行った. 心筋バイオプシーにて, 心筋細胞の肥大と細胞質内の空胞化を認めた. 症例2と3は兄弟であり, 両者とも好中球のα-galactosidase活性の低下を認めた. 症例2は47歳で, 完全房室ブロック, 洞徐脈によりDDDペーシングを施行した. また, 本例は3度の大動脈弁逆流を合併していた. 症例3は42歳で, 完全房室ブロックに対しVATペーシングを行った. 3例とも挿入時の合併症はなく, 植え込み後の刺激閾値の上昇や, 心内P波, 心内R波の低下なども認めなかった. 本症はα-galactosidaseの欠損によりceramide trihexosideが蓄積する遺伝性疾患である. 進行性の病変であり, ペーシングに関する諸因子が変化する可能性もあるため, 長期の経過観察が必要であると考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Fabry病, 心臓ペースメーキング, 刺激伝導障害, 肥大型心筋症, 大動脈弁閉鎖不全症
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