アブストラクト（38巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 心臓手術後の難治性胸骨感染に対する大網移植による2治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 岡本浩, 保浦賢三, 松浦昭雄, 秋田利明, 阿部稔雄 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 名古屋大学医学部胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 38 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 275-279 |
| Year/Month ： | 1990 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 開心術後の胸骨感染, 前縦隔炎は致命率の高い重篤な合併症である. 著者らは, 両側内胸動脈バイパス術後の61歳女性と, 三弁置換をした50歳男性の2例の術後胸骨感染に対し, 開放ドレナージ, 洗浄が無効であったため, 腐骨の除去と大網移植を行い, 創の治癒を得ることができた. 胸骨感染, 前縦隔炎に対する治療としては従来, デブリドマン後に閉鎖式洗浄法を行うことが多かったが, 感染が胸骨の深部に及んでいる場合は根治が難しい. 著者らは創を開放して洗浄を行いながら経過を観察し, 難治性であれば早期に形成外科的手法を用いて対処することが治癒を得るために必要であると考えている. 特に大網移植は開腹を要するとはいえ, 距離的空間的適合性に優れており, 死腔を閉鎖し感染を排除する上で極めて有用な方法と考えられる. 開心術後の胸骨感染, 前縦隔炎は, 頻度は高くないが致命率の高い重篤な合併症である. 今回著者らは, 開放ドレナージと創洗浄によって治癒しなかった2例の難治性胸骨骨髄炎に対し, 大網移植を行って良好な結果を得た. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 胸骨感染・前縦隔炎, 閉鎖洗浄法, 開放排膿法, 大網移植 |
