アブストラクト(39巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 負荷に対する右心室の反応を手術前後に検討し得た右室二腔症の1例
Subtitle : 症例
Authors : 野村文一, 張釟嶂, 大川淳, 西田俊朗, 奥田彰洋
Authors(kana) :
Organization : 社会保険紀南綜合病院心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 7
Page : 1093-1097
Year/Month : 1991 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右室二腔症の病態は, 異常筋束による右室内腔の狭窄の程度と合併奇形に依存している. 異常筋束の発育の程度の並びに手術の効果を明らかにするため, 手術の前後に心房ペーシング及びイソプロテレノール負荷を施行し, 右心室の動態を検討できた1例を経験した. 術前は, 負荷が増加するに従い右心室内圧較差は38mmHgから心房ペーシングで59mmHg, イソプロテレノールで116mmHgまで増加したにもかかわらず, 心拍出量は増加せず, 異常筋束の高度な発達が認められた. 術後は, 負荷によっても右心室内圧較差は安静時とほとんど変化せず心拍出量は十分に増加し, 異常筋束の十分な切除が確認された. 右室二腔症(DCRV)の病態は, 異常筋束による右室腔の狭窄の程度と合併奇形に依存している. 異常筋束は, 年齢と共に発達すると考えられるため, 早期手術が望ましいとする報告が多い1)~3). しかし, 比較的軽症で経過している場合には, 成人で発見されることもある2)4).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右室二腔症, 心房ペーシング負荷, イソプロテレノール負荷, 異常筋束の発達
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