アブストラクト（39巻9号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 左室カテーテルによる左心補助循環中の抗凝血薬療法及び循環管理－僧帽弁置換術後症例における経験－ |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 張釟嶂, 松田暉, 門場啓司, 金香充範, 光野正孝, 川島康生 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪大学医学部第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 9 |
| Page ： | 1777-1781 |
| Year/Month ： | 1991 / 9 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 僧帽弁置換術後の重症心不全に対する左心バイパス中, 左室内に留置したカテーテルにより抗凝血薬療法及び循環管理を行い, 良好な結果を得た. 患者は53歳の女性で, 僧帽弁閉鎖不全兼狭窄症, 三尖弁閉鎖不全症, 大動脈弁閉鎖不全症, 肺高血圧症の診断のもとに人工弁による僧帽弁置換術を行った. 術後早期に重積する上室性及び心室性不整脈から重篤なショック状態に陥り, 遠心ポンプを用いて左房・上行大動脈間の左心バイパスを行った. 左室機能は高度に低下し, 人工弁はほとんど閉鎖状態となり, この結果左室内血栓形成が懸念された. そこで左室内にカテーテルを留置し, これよりヘパリンを持続投与し, 左室内血のACT値を末梢血より高く維持した. 軽度の大動脈弁閉鎖不全を伴っていたが, 左室カテーテルにより左室拡張期圧をモニターしつつIABPを行い, これが効果的であり左心バイパスからの離脱に成功した. 左心バイパスによる補助期間は157時間で, その間血栓塞栓症の発生もなく術後77日目に退院した. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 左心バイパス, 僧帽弁置換術, 左室カテーテル, 抗凝血薬療法 |
