アブストラクト（39巻12号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | Marfan症候群に対する大動脈全置換術の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 三浦誠1), 毛利平1), 田林晄一1), 鈴木康之1), 伊藤孝1), 堀内藤吾2) |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 1)東北大学医学部胸部外科, 2)東北公済病院 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 12 |
| Page ： | 2223-2228 |
| Year/Month ： | 1991 / 12 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例はMarfan症候群の32歳, 男性. 5年前に腎動脈下腹部大動脈瘤でY型人工血管置換術, 3年前にDeBakey II型解離大動脈瘤でCabrol手術が施行された. 今回, 新たに弓部から残存下行大動脈全長に及ぶ解離性大動脈瘤を発症したため, 発症後2ヵ月目に弓部, 5ヵ月目(1989年9月26日)に残存下行大動脈の全置換を行った. 術後対麻痺などの合併症はなく, 1年余後の現在経過は良好である. 特発性嚢状壊死が原因で発症する大動脈病変には積極的な置換術が必要とされるものの, 大動脈の全置換は極めて侵襲が大きく困難な手術であり, 成功例の報告は数少なく, われわれの知る限り本邦では初めての症例と思われる. Marfan症候群に合併する大動脈瘤は中膜の特発性嚢状壊死と呼ばれる先天的脆弱性を基盤に発症するため病変は広範に及び, また限局性の場合でも多発し進行性に拡大するなど外科治療上問題が多い1). 積極的な置換術が根治性の高い治療法であるが, 病変部の全置換は侵襲が極めて大きく困難な手術である. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | Marfan症候群, 解離性大動脈瘤, 大動脈全置換術, 分割手術 |
