アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 頸部へ発育進展した上縦隔subclavian paragangliomaの1手術例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 山下良平, 川上和之, 小杉光世, 小林長, 安念有声* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 市立砺波総合病院外科, *市立砺波総合病院病理 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 40 |
Number : | 1 |
Page : | 108-112 |
Year/Month : | 1992 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は52歳, 女性. 左前胸部痛を訴えて来院した. 理学所見上, 胸骨上部の左前頸部に弾性軟で大きさ3.0×2.5cmの腫瘤を触れたが, その他には異常を認めなかった. 胸部X線写真で頸部から上縦隔にかけて大きな腫瘤陰影を認め, CT上, 腫瘤の境界は比較的明瞭で, 内部は不均一ながら全体として造影剤によりenhanceされた. 頸部へ張り出した胸腺腫瘍を疑い手術を行った. 術中所見では, 腫瘍は上縦隔において気管と左総頸動脈及び左鎖骨下動脈の間で, これらを周囲へ大きく圧排しながら頸部に向かって発育進展していた. 切除した腫瘍は大きさ5.5×3.5×3.0cm, 重さ42gで, 結合織性被膜に覆われ, 病理組織学的検索より最終的にparagangliomaと診断された. 本腫瘍は, その解剖学的位置関係からGlennerらの分類のsubclavian paraganglionより発生したものと推察された. subclavian paragangliomaの報告は極めてまれで, 本症例は本邦最初の報告例と考えられる. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 上縦隔腫瘍, 傍神経節腫, subclavian paraganglion |