Abstract : |
肺切除術を施行した原発性肺癌50症例を対象とし, 経食道内視鏡的超音波検査(EUS)の術前N因子診断能を検討した. 機種は電子リニア走査式超音波内視鏡EPB-503-FS(町田製作所・東芝メディカル社製)を使用した. 転移陽性リンパ節の描出率は陰性リンパ節より良好であった(p<0.01). 転移陰性リンパ節では#1, #2, #4の描出率は低かったが, 転移陽性, 陰性に関わらず#7の描出率が最も良好であった. 転移陽性リンパ節では転移巣や壊死の範囲により特有の超音波像を呈した. リンパ節の転移率は, 長径, 又は短径が増加し, 形状が円形に近いほど上昇した(p<0.01)が,大きさ単独では良好な診断はできなかった. また, 描出されたリンパ節を内部エコー像から6型に分類したが, 内部エコー像単独でも十分な診断率は得られなかった. そこで大きさ, 形状, 内部エコー像を数量化II類で分析するとsensitivity 83%, specificity 81%, overall accuracy 81%と上昇した. この診断率はCT像による成績に比し良好であった. EUSは肺癌症例の術前病期を正確に評価するため臨床的に有用であり, 今後, 更に普及して行くべき検査法であると思われた. |