アブストラクト(40巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 共通房室弁口, 大血管転位に対し修復手術を施行したright isomerism heartの1例
Subtitle : 症例
Authors : 大橋壮樹, 八木原俊克, 岸本英文*, 磯部文隆, 山本文雄, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科, *大阪府立母子保健総合医療センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 6
Page : 1025-1028
Year/Month : 1992 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Right isomerism heartは共通房室弁口を伴う単心室や複雑な静脈還流異常を合併することが多くbiventricular repairが可能な症例は極めてまれである. 症例は共通房室弁口(intermediate type), 大血管転位, 肺動脈狭窄, 三尖弁閉鎖不全(高度), 両側上大静脈, 左側下大静脈, 単冠動脈を合併したright isomerismの5歳の男児である. 手術は右室が体心室となるようなブーメラン型のブタ心膜パッチにより心房内血流転換を行い, 三尖弁置換, 僧帽弁裂隙縫合, 肺動脈弁交連切開を行った. 術後経過は良好で, チアノーゼの消失と運動能力の向上をみた. 本例は右室を体心室とする機能的根治術ではあるが, biventricular repairを施行できたまれな症例であり文献的考察を加えて報告する. Right isomerism heartは多くが共通房室弁口及び単心室の形態をとること, 心房への静脈還流異常の存在のため, 多くが姑息手術, あるいはフォンタン型手術の適応となり, 解剖学的な根治手術が可能な症例は極めてまれである1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : right isomerism, 共通房室弁口, 心房内血流転換, biventricular repai
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