アブストラクト(40巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 鈍的胸部外傷による大動脈全周性断裂の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 三角隆彦*, 大蔵幹彦*, 堀之内宏久, 前中由己
Authors(kana) :
Organization : 済生会神奈川県病院外科, *平塚市民病院心臓血管外科*
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 10
Page : 1918-1922
Year/Month : 1992 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 鈍的外傷による胸部大動脈全周性断裂の急性期手術救命例を経験したので報告する. 症例は46歳, 女性. 交通事故にて左側胸部を強打して来院した. 肋骨骨折以外重篤な合併損傷を認めず胸部単純X線写真と胸部CTにて縦隔血腫を認め, 受傷12日目に施行した大動脈造影にて大動脈峡部に瘤形成を認め, 同日緊急手術を施行した. 大動脈壁は大動脈峡部にて約1cmにわたり全周性に断裂しており外膜の1部と胸膜により大動脈の連続性が保たれていた. 一時的バイバス下に同部を人工血管置換し, 合併症なく軽快退院した. 鈍的外傷による胸部大動脈破裂は受傷直後に死亡する例がほとんどで, これまでの本邦における報告例も主に慢性期例で急性期手術例は少ない. 特に損傷部が全周性断裂を呈した例の救命例の報告は, われわれの調べ得た限りでは本例が6例目にあたる. 鈍的外傷による胸部大動脈破裂の本邦における急性期手術例は少なく, 特に大動脈全周性断裂の症例の救命例はほとんど報告されていない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 鈍的胸部外傷, 胸部大動脈破裂, 縦隔血腫, 大動脈全周性断裂
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