Title : |
大動脈肺動脈中隔欠損症を合併した大動脈弓離断症に対する一期手術後, 上行大動脈に高度狭窄を生じた1例-手術手技上の問題点- |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
植松正久**, 山口眞弘*, 大橋秀隆*, 今井雅尚*, 大嶋義博*, 安宅啓二**, 芳村直樹** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*兵庫県立こども病院心臓胸部外科, **神戸大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
42 |
Number : |
8 |
Page : |
1247-1253 |
Year/Month : |
1994 / 8 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
大動脈肺動脈中隔欠損症を合併した大動脈弓離断症に対して一期手術を行い, 術後良好な経過を得たものの, 心精査で上行大動脈の高度狭窄がみられた症例を経験したので報告する. 症例は生後36日の女児. 体外循環併用超低体温循環停止法を用いて, 大動脈弓下行大動脈直接吻合, 大動脈肺動脈中隔欠損のパッチ閉鎖を施行した. 術後, 心精査にて大動脈肺動脈中隔欠損閉鎖部に狭窄が認められたが, 自宅生活可能と判断され退院した. 術後7ヵ月時, 急激に低心拍出状態に陥り, 緊急に狭窄解除術を施行したが, 救命し得なかった. 本例の上行大動脈狭窄の成因には, 大動脈弓下行大動脈直接吻合及び大動脈肺動脈中隔欠損閉鎖パッチの両者が関与していた. 大動脈肺動脈中隔欠損を合併した大動脈弓離断症では一期手術以外に有効な救命手段はないと考えられ, また, 大血管がいまだ細い新生児や乳児早期に手術に踏みきらざるを得ない場合が多い. 本症の経験から, 術式に関しても更に検討が必要であると思われる. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
大動脈弓離断症, 大動脈肺動脈中隔欠損, 超低体温循環停止法, 上行大動脈狭窄 |