Abstract : |
症例は66歳, 男性. 1991年11月, 検診にて胸部異常陰影を指摘された. 1992年1月, 咳嗽, 喀痰を主訴として当科を受診した. 諸検査にて肺癌が疑われ, リンパ節郭清を伴う右中下葉切除術及び心膜合併切除術を行った. 切除標本の病理組織学的検査にて, 心膜に浸潤した肺plasma cell granulomaと診断された. 術後経過は良好で, 1年5ヵ月経過した現在再発を認めない. 本疾患は組織学的に良性で, 肺外へ浸潤する例は非常に珍しく, 本邦及び欧米の文献検索上, 自験例を含めて8例しかなかった. 今回われわれはこれら8例を中心に, 文献的考察を行った. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1399-1403)肺plasma cell granulomaは, その病理学的な特徴からpostinflammatory pseudotumor, xanthoma, xanthogranuloma, fibroxanthoma, histiocytoma, fibrous histiocytoma, mast cell granuloma等の同義語をもつ比較的まれな肺の良性疾患である. |