アブストラクト(42巻9号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 外傷性胸部大動脈内膜断裂例の臨床的検討 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 西脇登**, 河野雄幸*, 末永悦郎* |
Authors(kana) : | |
Organization : | *福岡徳洲会病院心臓血管外科, **大阪赤十字病院心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 42 |
Number : | 9 |
Page : | 1413-1417 |
Year/Month : | 1994 / 9 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 最近われわれは外傷性胸部大動脈内膜断裂の4例を経験し, 内3例は受傷後4日以内の急性期に他の1例は3週間後の亜急性期に胸部下行大動脈人工血管置換術を行い, 全例合併症なく救命し得た. 症例は18歳から36歳までの男性で3例は交通外傷により, 1例は転落事故により発症した. 大動脈内膜断裂部位は全例大動脈峡部で全例内膜内反の所見は認めなかった. 他臓器合併外傷として1例に急性硬膜下血腫と脾破裂を, 1例に肝外傷を, また他の1例には肺挫傷と腎挫傷を認めた. 本症は比較的若年者に多く術後対麻痺などの合併症を回避するために何らかの補助手段が必要であるが, われわれは術中のopen ruptureに対し緊急対応の可能な体外循環が最良であると考えている. この場合, 全ヘパリン化されることによる出血傾向に対し多発合併外傷の重症度を含めた術前の十分な精査とその処置および手術時期の決定が肝要である. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1413-1417)近年, 交通事故の増加に伴い医療における外傷の分野はその重要性を増していると言える. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 鈍的胸部外傷, 外傷性胸部大動脈瘤, 内膜断裂, 多発外傷, 補助手段 |