Abstract : |
症例は79歳, 女性. 洞不全症候群にて14年前にペースメーカー植込術(VVI, 単極リード)を, 7年前にジェネレーター交換をうけ, 今回ジェネレーター再交換のため入院した. 局麻下にジェネレーターを再交換を行い, 心室内単極リードの闘値や抵抗に異常はなかった. 帰室後ペーシング不全となり, ジェネレーター部を圧迫することによりペーシング良好となった. ポケット内の空気の介在による不関電極部とポケット被膜の密着不良によるペーシング不全(dry pocket)と診断し, ポケット内に生理食塩水5mlを注入することにより以後ペーシング不全となることなく軽快退院した. ジェネレーター交換後のまれな合併症であるdry pocketの1症例を経験したので報告した. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1981-1983)ペースメーカー(VVI, 単極リード)植込後のシェネレータ交換直後にペーシング不全となり, ポケット内の空気の介在による不関電極部とポケット被膜の密着不良(dry pocket)がペーシング不全の原因と考えられた1症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. |