アブストラクト(43巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 右室流出路拡大に用いたウマ心膜パッチに高度な石灰化を生じたFallot四徴症の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 松山克彦, 三木成仁, 上田裕一, 大北裕, 田畑隆文, 酒井哲郎 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 天理よろづ相談所病院心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 43 |
Number : | 1 |
Page : | 91-95 |
Year/Month : | 1995 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 11歳, 男児. Fallot四徴症の診断で2歳, 4歳時にウマ心膜(Xenomedica社製)を用いて2回の姑息的右室流出路拡大術を施行したが, 術後, 縦隔炎を併発した. 5歳11ヵ月時, 感染した右室流出路パッチを除去し, VSD閉鎖, 右室流出路パッチにはすべてウマ心膜を用いて根治術を行った. しかし, 術後6年を経て, ウマ心膜から内腔に突出する石灰化腫瘤のため, 右室流出路狭窄が増強し, 4回目の開心術を要した. このウマ心膜の特異な所見は, ウマ心膜の経年的変化に加え, Ca代謝の亢進した少年期に, 心膜への力学的ストレスが加わったことにより, 石灰化が増強され, さらに感染がこの石灰化腫瘤の形成に影響を与えたのではないかと考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:91-95)異種心膜は, 現在, 心内外の補填, あるいは形成材料として範用されているが, その遠隔期成績における退行変性が問題となる場合がある. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 縦隔炎, 右室流出路パッチ, ウマ心膜, 石灰化腫瘤 |