アブストラクト(43巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 特発性食道破裂の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 島田守**, 岡川和宏*, 水谷澄夫*, 金子正*, 高山卓也**, 平尾素宏**
Authors(kana) :
Organization : *公立学校共済組合近畿中央病院外科, **大阪大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 3
Page : 355-360
Year/Month : 1995 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 特発性食道破裂は比較的まれな疾患であり初期症状が胸腹部の救急疾患と類似しているため診断・治療が遅れ縦隔炎や胸膜炎を併発し重篤となる場合がある. 症例は49歳, 男性. 飲酒後嘔吐しその直後に前胸部の激痛と共に吐血が出現したため近医に入院した. 特発性食道破裂と診断され当科に紹介となり発症より25時間後に開胸術を施行した. 横隔膜上2cmの胸部食道左側壁に縦走する3cmの穿孔が存在した. 穿孔部は層々に縫合閉鎖し, 更に縫合部の補強のためFundic patchで補強した. 発症後25時間経過した症例ではあったが, 術後経過は良好で, 46病日に軽快退院した. 本症例はFundic patchが有効であったと考えられる. また, 1986年8月から1992年7月に報告され1985年以降に発症したものに本症例を加えた59例について検討したので, 文献的考察を加えて報告する. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:355-360)特発性食道破裂は近年報告例が増加してきたが, 比較的まれな疾患であり初期症状が急性腹症や循環器, 呼吸器系救急疾患と類似の症状を呈するために診断が遅れ適切な治療が行われなければ縦隔炎や胸膜炎を併発し重篤となる場合がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 特発性食道破裂, Boerhaave's Syndrome, 直接縫合, 破裂部被覆術, Fundic patch法
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