アブストラクト(43巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開窓術後の膿胸腔に対する筋皮弁充填術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 野守裕明*, 堀尾裕俊*, 長谷川時生**
Authors(kana) :
Organization : *東京都済生会中央病院外科, **東京都済生会中央病院形成外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 7
Page : 1073-1076
Year/Month : 1995 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は62歳, 女性. Vater乳頭部癌に対する膵頭十二指腸術後に生じたMRSA膿胸である. 開窓術後, 広背筋とその周囲の皮下脂肪を十分に付けた, いわゆる拡大筋皮弁を膿胸腔内に充填した. 術後MRIでは筋皮弁の皮下脂肪は萎縮せず容量が良く保たれていた. 充填後19ヵ月後の現在, 腫瘍及び膿胸の再発なく患者は社会復帰している. 筋皮弁は筋弁に比べ, (1)容量が多いため充填時, 死腔縮小のための肋骨切除範囲が少ない, (2)充填後の脂肪組織は萎縮しないため術後長期にわたり胸郭の変形が軽度である, などの利点を有する. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1073-1076)従来, 膿胸開窓術後の死腔充填物として主に広背筋, 前鋸筋, 大胸筋, 小胸筋, 僧帽筋などによる有茎筋弁が用いられてきた1)~4). 筋弁の利点として血流が多いため感染に抵抗性がある一方, 欠点として容量が少ないため充填時広範囲な胸郭成形術を必要とし, また充填後も筋肉はかなり萎縮するため最終的には胸郭の変形は高度となることがあげられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 膿胸, 筋皮弁, 筋弁, 気管支瘻, 開放療法
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