アブストラクト(43巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 家兎肺温阻血再灌流時におけるnitric oxide由来cyclic GMP産生能の変動
Subtitle : 原著
Authors : 武田恒弘, 山口豊, 斎藤幸雄, 関根康雄, 吉田成利, 卜部憲和*, 藤澤武彦
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設外科, *沼津市立病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 12
Page : 1913-1918
Year/Month : 1995 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺虚血再灌流時の血管内皮細胞機能を明らかにするために, 家兎肺in situ灌流モデルを用いて, 温阻血再灌流時の血管内皮細胞由来のnitric oxide(NO)産生能の変化を, 肺灌流液中のcyclic GMP(cGMP)を指標として検討した. 家兎肺の肺動脈からKrebs-Henseleite緩衝液で灌流し, 経時的に左室からの流出液を採取し, cGMP濃度を測定した. NG-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)投与によりcGMP産生は抑制され, L-arginine投与により産生が回復することから, 灌流液中の cGMPは血管内皮細胞から産生されるNOに由来すると考えられた. 温阻血再灌流実験では, 30分および60分の温阻血後再灌流により, 灌流液中のcGMP産生能は即時灌流群と比べ有意に低下していた. 以上より, 家兎肺温阻血再灌流によりNO産生能が低下しており, 血管内皮細胞が障害されている可能性が示唆された. また, 臓器灌流液の分析は, 血管内皮細胞の代謝機能の評価に有用である可能性が示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺移植, 虚血再灌流, 血管内皮細胞, 一酸化窒素, cyclic GMP
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