アブストラクト（44巻4号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 感染性心内膜炎に起因する大動脈-左室交通を有する心室中隔解離の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 山内英智, 松居喜郎, 椎谷紀彦, 村下十志文, 佐久間まこと, 安田慶秀 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 北海道大学医学部循環器外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 44 |
| Number ： | 4 |
| Page ： | 534-538 |
| Year/Month ： | 1996 / 4 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 心室中隔解離は極めてまれな病態で, 原因として感染性心内膜炎（IE）, Valsalva洞動脈瘤, 外傷, 心室中隔欠損症などが報告されている. 今回われわれはIEに起因した大動脈左室交通を有する心室中隔解離症例を経験したので報告する. 症例は34歳, 男性. 心エコーで大動脈弁右冠尖から心室中隔に連なる解離を認めた. 解離の進行と共に刺激伝導障害と左室流出路狭窄を認め手術となった. 大動脈弁右冠尖基部中央にentryが存在し, 心室中隔は約2×2×2.5cm解離しており左室内に交通するreentryが存在した. 大動脈側より解離壁を縫着する形で弁置換した. 病理組織上活動性心内膜炎であったが細菌培養は陰性であった. IEに起因した大動脈左室交通症の報告は調べ得た範囲では本邦3例目であり, 極めてまれな症例であった. 感染性心内膜炎（IE）による組織破壊が弁輪部から周囲組織に及ぶことは時に経験されるが, 感染, 心不全の治療のみならず手術時期, 術式の選択, 感染巣の処理に多くの問題があり予後も良好とは言い難い. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 感染性心内膜炎, 心室中隔解離, 大動脈-左室交通, 心室内伝導障害 |
