アブストラクト(44巻5号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 胸壁内外に非連続性腫瘤形成を認めた神経鞘腫の1切除例 |
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Subtitle : | |
Authors : | 野中誠, 門倉光隆, 谷尾昇, 山本滋, 片岡大輔, 高場利博 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 昭和大学医学部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 44 |
Number : | 5 |
Page : | 714-716 |
Year/Month : | 1996 / 5 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 後縦隔並びに胸壁に発生した良性神経鞘腫の1切除例を経験した. 症例は55歳, 女性. 20年前から左背部腫瘤を自覚し, また5年前の検診で左後縦隔腫瘍を指摘された. その後, 定期的に経過観察されていたが, 腫瘤陰影が増大したため紹介入院となった. 画像上, 椎体左側の第4肋間に後縦隔腫瘤を認め, これと同レベルで骨性胸郭外の筋層下にも腫瘤がみられた. 画像所見からはこれら胸壁内外の腫瘤の連続性が示唆された. 胸壁外の腫瘤に対して針生検を行い, 神経鞘腫が疑われた. 左後側方切開にて胸壁内外の腫瘍を個別に摘出したが, 術中所見では, これら腫瘍の連続性は認められなかった. 神経鞘腫は一般に良性であることが多いが, 本症例のような多発例では, 他の悪性腫瘍との鑑別が困難であること, 針生検で軟部組織腫瘍の一部から全体像を判定するのは危険と考えられること, 神経鞘腫が悪性化し得ることから, 積極的な摘出術が望ましいものと思われた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 神経原性腫瘍, 神経鞘腫, 縦隔腫瘍, 胸壁腫瘍 |